報復
男「・・・う・・ん・・・?

息苦しさで目が覚めた。どことなく息苦しい・・・。
それに動けない、どうしたんだろう。
金縛り?まさかそんなことあるわけがない。

男「何で体が動かないんだ?

目を開けると体の回りには薄い肌色の物体があった。

男「なんだこれ・・・?

前を見るとなにやら薄紅色の何かが・・・
まだ頭が起きていないようだ。目がはっきりしない・・・
すると目の前の薄紅色のものが動いた。それと同時に轟音とともに風が吹いてきた。

…「お目覚めかしら?
男「・・・え?

男はこれで完全に起きた。目の前にあったのは巨大な口だったのである。
上を見上げたが鼻の穴しか見えず、どんな顔つきなのかまったくわからない。

男「だ・・・だれだ!!
…「あら、誰だっていいじゃない。どうせアンタ死んじゃうんだから

声の感じからすると、どうやら女性らしい。

…「まあ、あえて言うなら、あたしはアンタが知ってるよく知ってる人間よ
男「そんな・・・・
…「それ以上は教えてあげないわ

目の前の巨大な口は潤いがあり、唇の間からは輝くような巨大な歯が覗いていた。

…「ふふふ、さぁて・・・少しいたぶってやろうかしらぁ?
男「やめろ!なにする気だ!!

後ろから、男の胴体くらいの太さの人差し指と親指が出てきて、男の頭を挟んだ。

…「ひねり潰しちゃおうかなぁ・・・
男「なっ!や、やめろ!!!
…「生意気ねぇ・・・、だからキライなのよ!!

『だからキライ』・・・?どこかで聞いたことのあるセリフだった。
考える暇もなく指はどんどん男の頭を締め付けていった。

ミシミシ・・・

抗いようのない力で頭蓋骨が悲鳴を上げる。押し返そうとしたがびくともしない。

男「ああああああ・・・・・・・

無意識に苦悶の声が漏れる。このまま頭を潰されて死ぬんだろうか・・・
すると突然、あえぎ声を上げる口に巨大な粘ついた液体が入ってきた。
その液体は男の小さな口をいっぱいにし、あふれ出るほどだった。
酸臭のする生暖かい液体だった。

…「うふふ、ほら、飲まないと窒息しちゃうぞ?

息ができない。生きるためには飲むしかないのだ。

ゴクン

大量の液体が男の胃の中に流れ込んだ。

男「ぷはっ!ごほっ!はぁ・・はぁ・・・
…「ふふふ・・・どう?苦しかったでしょ?今飲んだのはあたしの唾液よw

女は掴んでいた手を離し、男の腹部を摘んで口の前に持っていった。

…「そろそろ処刑してあげるわ

その言葉を聞いた瞬間から、男の体は前に倒れるように回転し始めた。
目の前にあった口は、今度は頭上に来ている。
そして、回転が終わったかと思うと、今度は少しずつ口のほうに近づき始めた。

喰われる

男はすぐにわかった。口に近づくにつれ、巨大な口は少しずつ開かれていった。
上下の唇の間には唾液が糸を引いていた。美しく潤った唇が開かれていく・・・
頭が口の中に入る頃には口は大きく開かれていた。
上下には真っ白に輝く岩のような歯、生き物のようにうごめく唾液でぬるついた舌。

男は恐怖で声も出なかった・・・

不意に男を摘んでいた指の力がなくなり、男は舌の上に落とされた。
その瞬間、暗闇に覆われた。口が閉じられたのだ。

男「た、たすけて・・・

男の力ない叫びが口内でこだました。
舌が持ち上がり、男は上顎と舌にはさまれた。そして男の体は嘗め回された。
男の体はよじれ、今にも胴体と四肢が千切れそうだった。
唾液がいたるところからあふれ出し、容赦なく襲いかかった。

数分間嘗め回されたが、男にとっては永遠との思われる時間であった。

しばらくすると、硬いところに落とされた。
どうやら奥歯らしい。
上からも挟まれ、身動きが取れなくなった。
もう男には押し返そうとする力も気力も残ってはいなかった。
どんどん力が加えられ、男の体は潰されていった。
体中の骨が次々に噛み砕かれていった。
そして・・・

グシャァ

男の体は完全に潰れ、ぺしゃんこになってしまった。
女はそれでは飽きず、ドロドロのミンチになるまで男を噛み潰した。

ゴックン

女は男の肉片を飲み込み、満足そうに腹をさすった。
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